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虫垂炎・大腸憩室炎

虫垂炎・大腸憩室炎「お腹が急に痛くなった…」「右下腹部の痛みが続いている…」「便秘や発熱もある…」
こうした症状は、虫垂炎や大腸憩室炎の可能性があります。

これらの疾患はどちらも腹痛を主症状とし、早期に治療を受けることで合併症を防ぐことが重要です。

以下では、それぞれの疾患について詳しく解説します。

目次

虫垂炎(盲腸炎)とは?

虫垂炎(盲腸炎)とは?虫垂炎は、大腸の一部である虫垂が炎症を起こす疾患です。
俗に「盲腸炎」と呼ばれますが、実際には盲腸ではなく虫垂が炎症を起こしています。

虫垂炎の主な症状

  • 右下腹部の痛み(初期はみぞおちやおへその周辺から始まることも)
  • 発熱:軽度の熱が出る場合が多い。
  • 吐き気や嘔吐:食欲不振を伴うことがある。
  • 便秘または下痢:腸の炎症による排便の乱れ。

虫垂炎の原因

  • 虫垂の閉塞:糞石(硬い便)、腸内異物、リンパ組織の肥大が原因で虫垂が詰まる。
  • 感染:腸内細菌が増殖し炎症を引き起こす。

大腸憩室炎とは?

大腸憩室炎とは?大腸憩室炎は、大腸の壁にできた袋状の突起(憩室)が炎症を起こす疾患です。
憩室自体は無症状の場合が多いですが、炎症が起こると激しい腹痛を伴います。

大腸憩室炎の主な症状

  • 左下腹部の痛み:特にS状結腸に憩室が多く見られます。
  • 発熱:細菌感染による炎症反応。
  • 便秘または下痢:腸の運動が乱れることによる。
  • 吐き気や嘔吐:腸管の炎症による症状。

大腸憩室炎の原因

  • 食物繊維不足:便が硬くなり腸内圧が上昇して憩室が形成される。
  • 感染:憩室に便や細菌が溜まり炎症を引き起こす。

診断方法

虫垂炎と大腸憩室炎はどちらも症状が似ているため、正確な診断には詳細な検査が必要です。

問診と触診

痛みの場所や性質を確認し、腹部を軽く押して反応を観察します。圧痛の部位と腹膜刺激症状で推測することは可能ですが 確定診断には至りません。

血液検査

炎症の有無を確認するため、白血球数やCRP(炎症マーカー)を測定します。血液検査が正常の場合もあり、血液検査結果は参考にすぎません。

画像検査

腹部エコー検査

虫垂を観察することで、虫垂炎の有無を診断することが可能です。さらに虫垂の状態を詳しく観察することで保存的な治療(抗生物質による治療で俗に言う「炎症をちらす」こと)ができるか、手術適応となるかの判断も可能です。大腸憩室炎では痛みがある部位に一致した「炎症をきたし腫れた憩室」と「その周囲の腸が厚くなる」を認めます。重症化して膿瘍(膿が溜まった状態)ができた場合、膿瘍の大きさを測定することが治療方針の決定に役立ちます

CT検査

虫垂や憩室の状態を詳しく観察し、診断を確定します。

治療方法

虫垂炎の治療

軽症の場合

抗生物質の投与による炎症のコントロールが可能です。

手術治療

炎症が進行した場合や再発リスクが高い場合には、腹腔鏡手術による虫垂切除を行います。虫垂に穴が開き腹膜炎をきたした場合には開腹手術が必要になることもあります。

大腸憩室炎の治療

軽症の場合

絶食や流動食で腸を休ませる。
抗生物質の投与で炎症を抑える。

重症の場合

腸管の穿孔(穴が開く)や膿瘍を伴う場合は、外科手術が必要になることがあります。

内視鏡検査の重要性

内視鏡検査の重要性虫垂炎や大腸憩室炎では、腹部エコー検査やCT検査が中心となりますが、内視鏡検査は以下の点で重要な役割を果たします。

大腸憩室の状態を確認

炎症が改善した後、憩室の有無や数、腸の状態を観察します。

合併症のチェック

憩室炎が繰り返される場合、大腸がんのリスクを確認するための内視鏡検査が推奨されます。

虫垂炎・大腸憩室炎で
お悩みの方へ

早期診断と適切な治療が、合併症の予防や早期回復につながります。
腹痛や便通異常にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
腹痛の原因を早めに明らかにし、健康な生活を取り戻しましょう!お気軽にお問い合わせください。