脂質異常症

血中には、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などの脂肪が存在します。脂質異常症とは、これらのうち1つ以上が正常値の範囲にない状態です。

脂質異常症によって動脈硬化の悪化に繋がり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を発症しやすくなります。発症初期は自覚症状が少ないため、早期発見できるようにすることが大切です。

また、薬物療法や生活習慣の見直しによって、正常値を保つことが重要です。

特段の自覚症状はありませんが、脂質異常症によって動脈硬化が悪化すると、血流障害が起こります。

血流障害が起こった部位によって、症状の内容に違いがあります。心筋梗塞や狭心症の場合は急激な胸痛が起こり、脳梗塞の場合は急激な身体の片麻痺や痺れ、呂律が回らないなどの症状が起こります。 また、中性脂肪の値が上昇すると、急性膵炎を発症しやすくなります。

脂質が臓器に溜まると、アキレス腱黄色腫や眼瞼黄色腫などが起こるようになります。

様々な治療法の中で最も大切なものは、生活習慣の見直しです。
適正体重を保つことを最優先として、禁煙・禁酒、食事療法、運動療法なども併せて実施します。 薬物療法は、生活習慣の改善で効果が見込めない場合に行います。特に、肥満の方はダイエットすることで数値が正常化したり、糖尿病や高血圧、脂肪肝などの病気も同時に解消できたりするなど、様々な効果が見込めます。

生活習慣の見直しで改善しない場合、薬物療法も検討します。
高LDLコレステロール血症の方にはスタチン系薬剤、高TG血症の方にはフィビラート系薬剤を使用します。その他、EPA製剤やPCSK9阻害薬、エゼチミブなどを使う場合もあります。原発性脂質異常症でも薬物療法を行います。