「胃が重い…」
「食べるとすぐにお腹がいっぱいになる…」
「特に病気は見つからないけど、胃が不調…」
こうした症状でお困りではありませんか?
これらは、機能性ディスペプシア(FD)と呼ばれる、消化器の異常が検査では見つからないにもかかわらず、不快な症状が続く疾患の可能性があります。
機能性ディスペプシアは生活の質を大きく低下させることがありますが、適切な診断と治療で改善が期待できます。
以下では、症状、原因、治療法について詳しく解説します。
目次
機能性ディスペプシア(FD)
とは?
機能性ディスペプシアは、胃や消化管の構造的な異常や炎症がないにもかかわらず、胃の不快感や機能障害が続く状態を指します。
主な特徴
内視鏡検査や血液検査で明らかな病変が見つからない。
消化器症状が慢性的(3か月以上)に続く。
機能性ディスペプシアは、消化管運動の異常や神経の過敏性が関係していると考えられています。
機能性ディスペプシアの主な症状
機能性ディスペプシアには、以下のような症状が現れます
食後愁訴症候群(食後の不快感)
食後に胃が重く感じる、胃のもたれ。
少量の食事でもお腹がいっぱいになる。
心窩部痛症候群(みぞおちの痛み)
空腹時や食事に関係なくみぞおちに痛みを感じる。
焼けるような感覚を伴う場合もある。
その他の症状
吐き気、げっぷ、胸やけ、胃の張り感。
機能性ディスペプシアの原因
機能性ディスペプシアの正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
胃の運動機能の低下
胃が食べ物を正常に排出できず、胃の中に停滞する。
消化管の過敏性
胃や腸の神経が敏感になり、少量の刺激でも不快感を感じる。
ストレスや心理的要因
精神的なストレスは自律神経を乱し、消化機能に影響を与えます。
ピロリ菌感染
ピロリ菌が関与している場合があり、除菌治療が症状を改善することがあります。
食生活や生活習慣
高脂肪食や暴飲暴食、過剰なカフェイン摂取などが胃に負担をかけます。
機能性ディスペプシア(FD)の
診断方法
機能性ディスペプシアの診断は、他の消化器疾患を除外するために以下の検査が行われます。
胃カメラ検査(内視鏡検査)
胃潰瘍や胃がん、逆流性食道炎などの明らかな病変がないか確認します。
血液検査
炎症反応や貧血の有無を確認します。
ピロリ菌検査
ピロリ菌感染が疑われる場合は、尿素呼気試験や便中抗原検査を行います。
腹部エコー検査
胃の形状や動きが観察できます。また、膵がんなど胃以外の臓器の疾患でも機能性ディスペプシアと同じような症状を呈することがあります。腹部エコー検査では腹部の臓器をすべて観察できるため重大な疾患を的確に発見できます。
機能性ディスペプシア(FD)の
治療方法
機能性ディスペプシアの治療は、症状の緩和を目的に生活習慣の改善や薬物療法を組み合わせて行います。
生活習慣の改善
少量の食事を頻回に摂取し、胃への負担を軽減する。
高脂肪食や辛い食べ物、炭酸飲料を控える。
ストレスを減らすためのリラクゼーションや適度な運動を取り入れる。
薬物療法
プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸分泌を抑え、胃の負担を軽減。
消化管運動促進薬改善薬:胃の動きを改善し、食物の排出を助ける。
抗不安薬や抗うつ薬:ストレスや過敏性が強い場合に効果があります。
ピロリ菌除菌治療
ピロリ菌が感染している場合は、除菌治療を行います。
当院での診療アプローチ
当院では、機能性ディスペプシアの診療において、以下のプロセスを重視しています。
問診と症状の評価
詳細な問診を行い、症状や生活習慣、ストレス要因を確認します。
腹部エコー検査
胃・十二指腸潰瘍、胆のうや胆管・膵臓の疾患がないことを確認します。
胃カメラ検査の実施
最新の内視鏡機器を使用し、胃の状態を詳細に確認します。
患者様の負担を軽減するため、鎮静剤を使用してリラックスした状態で検査を受けていただけます。
適切な治療計画の提案
診断結果に基づき、生活習慣の改善アドバイスや薬物療法を提案します。
継続的なフォローアップ
症状の変化に応じて治療計画を調整し、患者様の生活の質を向上させます。
機能性ディスペプシア(FD)を
予防する生活習慣
- バランスの取れた食事を心がける(暴飲暴食や脂肪の多い食事を避ける)
- ストレスを溜め込まず、リラックスする時間を確保する。
- 規則正しい生活リズムを維持する。
- 定期的に胃の状態を検査し、不調を見逃さない。
胃の不調を感じたら当院へ!
機能性ディスペプシアや胃の症状にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
最新の検査機器と患者様一人ひとりに寄り添った治療を提供し、健康な日常を取り戻すお手伝いをいたします。
早めの診断と適切な治療で、症状の改善を目指しましょう!