「食後に胸が焼けるように痛い…」
「酸っぱい液が口の中まで上がってくる…」
「夜になると症状が悪化する…」
こうした症状でお困りではありませんか？
胸やけや呑酸（胃酸が喉や口に逆流する感覚）は、食道と胃をつなぐ逆流防止機能が低下することで起こります。これらの症状が頻繁に見られる場合、逆流性食道炎などの疾患が背景にある可能性があります。
目次
胸やけ・呑酸とは？
胸やけとは、食道に胃酸が逆流し、胸の中央部に焼けるような感覚が生じる症状を指します。呑酸は、胃酸が喉や口まで上がり、酸っぱい味・苦い味がするなどの不快感を伴う症状を指します。
症状の特徴
- 食後や横になると胸が焼けるような不快感がある。
- 酸っぱい液体や苦い液体が喉や口の中に上がってくる。
- 胸の中央にチクチクした痛みが生じる。
- 長期間放置すると、声がかすれる、喉が痛い、慢性的な咳が出ることがあります。
原因
胸やけや呑酸の主な原因は、胃酸が食道に逆流することです。
これを引き起こす要因には以下があります。
逆流を引き起こす要因
食道下部括約筋（LES）の機能低下
胃と食道のつなぎ目にある筋肉がゆるむため、逆流防止弁の働きが悪くなり胃酸が逆流する。
胃の内圧の上昇
胃の動きの低下や食べ過ぎや炭酸飲料の摂取で胃が膨らみ、胃酸が逆流しやすくなる。
胃酸過多
胃酸が過剰に分泌され、逆流した胃酸が食道に炎症を引き起こす。
肥満や妊娠
腹部への圧力が増加し、胃酸の逆流を助長する。
食事や生活習慣
脂肪分の多い食事、アルコール、カフェイン、喫煙も原因となることがあります。
胸やけ・呑酸が関連する疾患
逆流性食道炎（GERD）
胃酸が繰り返し食道に逆流することで、食道の粘膜が炎症が発生します。
食道裂孔ヘルニア
胃の一部が横隔膜を通じて胸部に突出する疾患で、胃酸逆流の原因になります。
十二指腸潰瘍
胃酸の分泌が増えることにより、胸やけを伴う場合があります。
バレット食道
慢性的な胃食道逆流や逆流性食道炎により、食道の粘膜が変性する状態です。食道がんのリスクが高まります。
診断方法
胸やけや呑酸の原因を正確に診断するためには、以下の検査を行います。
問診と症状の確認
症状の頻度や食事との関連性、生活習慣を詳しく聞き取ります。
内視鏡検査（胃カメラ）
食道や胃の状態を直接観察し、炎症や潰瘍の有無を確認します。
治療方法
胸やけや呑酸の治療は、原因に応じて生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行います。
生活習慣の改善
食事内容の見直し
高脂肪食、酸味の強い食品、炭酸飲料を控える。
食後2〜3時間は横にならない。
適度な運動
腹圧を高める運動（重いものを持つ動作など）を控える。
禁煙・節酒
タバコやアルコールは食道下部括約筋の機能を低下させます。
薬物療法
- プロトンポンプ阻害薬（PPI）、カリウムイオン競合型酸阻害薬
胃酸の分泌を強力に抑制する薬剤。 - H2ブロッカー
胃酸分泌を抑えるが、PPIよりも効果が緩やか。 - 制酸薬
胃酸を中和し、一時的な症状緩和に使用します。
外科的治療
重症の逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアがある場合、外科的治療が検討されます。
内視鏡検査が重要な理由
胸やけや呑酸が頻繁に起こる場合、胃カメラ検査（内視鏡検査）が非常に効果的です。
原因の特定
食道や胃の炎症や潰瘍の有無、バレット食道の早期発見が可能です。
合併症の予防
内視鏡所見に応じた治療を続けることで、慢性的な逆流が食道がんやバレット食道に進行するリスクを軽減できます。
早期治療計画の立案
症状に応じた最適な治療法を選択するための情報が得られます。
当院では、最新の内視鏡機器を使用し、苦痛の少ない検査を提供しています。
予防方法
規則正しい食生活
過食を避けましょう。
ストレス管理
ストレスにより痛みや不快感をより強く感じやすくなるため、リラクゼーションを取り入れましょう。
体重管理
適正体重を維持し、腹部への圧力を軽減します。
当院での診療アプローチ
では、胸やけや呑酸の診療において以下のプロセスを重視しています。
初診・問診
詳細な症状や生活習慣をヒアリングします。
詳細な検査
胃カメラを用いて正確な診断を行います。
治療計画の提案
薬物療法、生活習慣改善、必要に応じた外科的治療を組み合わせた最適な治療法を提案します。
継続的なフォローアップ
症状の経過を定期的に確認し、再発防止のためのアドバイスを提供します。
胸やけ・呑酸でお悩みの方へ
頻繁な胸やけや呑酸は、放置すると慢性化し、食道がんのリスクを高めることがあります。早期の診断と適切な治療で症状を改善し、快適な日常生活を取り戻しましょう。