「健康診断で大腸ポリープが見つかった…」
「血便や便秘が続いている…」
「最近体重が減少してきた…」
これらの症状や診断は、大腸ポリープや大腸がんに関連している可能性があります。
大腸ポリープは初期段階では無症状であることが多いですが、放置すると一部ががん化するリスクがあります。
定期的な内視鏡検査が早期発見と治療に重要です。
以下では、大腸ポリープと大腸がんについて詳しく解説します。
目次
大腸ポリープとは?
大腸ポリープは、大腸の内側(粘膜)にできる隆起性の病変です。
腺腫性ポリープ(腺腫:良性の主要)であることが多く、がん化するリスクがあります。
主な特徴
- 小さいポリープは無症状が多い。
- 大きくなると便秘、下痢、血便が見られることもある。
大腸ポリープの種類
- 過形成性ポリープ:がん化するリスクは低い。
- 腺腫性ポリープ:がん化リスクがあるため切除が推奨される。
- 鋸歯状ポリープ:がん化の可能性があるため切除が推奨される。
大腸がんとは?
大腸がんは、大腸の粘膜に発生する悪性腫瘍で、主に直腸と結腸に多く見られます。
早期発見・治療が非常に重要な疾患です。
主な症状
- 血便や黒っぽい便
- 便秘や下痢
- 便が細くなる
- お腹の張りや痛み
- 体重減少、倦怠感
原因
大腸ポリープの原因
- 食生活(高脂肪・低食物繊維の食事)
- 遺伝的要因(家族性大腸腺腫症など)
- 年齢(40歳以上で発症リスクが上昇)
大腸がんの原因
- ポリープが放置され、がん化した場合。
- 飲酒・喫煙などの生活習慣。
- 遺伝的要因(リンチ症候群など)。
- 潰瘍性大腸炎やクローン病の既往。
診断方法
問診と便検査
便潜血検査で血液の混入を確認します。
腹部エコー
当院での大腸進行がんのエコーによる発見率は80%台です。さらに、大腸進行がんによる腸管の閉塞や狭窄の評価が可能です。腸管の閉塞や狭窄のある場合に内視鏡検査の前処置の大量の下剤を服用すると腸が破れ、命に係わる可能性がありますが、このような状態をエコーを用いると事前に診断することができます。当院では腹痛など腸管の狭窄がある場合にはエコー検査を行い安全性を確認したうえで下剤を服用していただいています。
内視鏡検査(大腸カメラ)
ポリープやがんを直接観察し、必要に応じて組織を採取(生検)やポリープ切除を行います。
CT検査(CTコロノグラフィ)
下剤を服用し、肛門から二酸化炭素を注入しCTを撮影することで、大腸全体の状態を非侵襲的に観察します。エックス線被ばく、平坦な病変の見逃し、生検や切除を行うことはできないことなどが短所です。
腫瘍マーカー検査
血液中のCEAやCA19-9を測定し、がんの可能性を評価しますが、早期がんでは上昇せず、進行がんでも上昇しない場合があり不確実です。
治療方法
大腸ポリープの治療
内視鏡的切除
ポリープが小さい場合、内視鏡(大腸カメラ)を用いて切除が可能です。2㎝以上の大きいポリ-プではESDにより切除するため 専門施設に紹介します。
外科的切除
進行がんが疑われる場合は外科手術が必要です。
大腸がんの治療
外科的手術
がんが進行している場合、がんと周囲のリンパ節を切除します。
内視鏡的治療
早期がん(粘膜および粘膜下層浅層にとどまる)の場合、内視鏡を用いた切除が可能です。
化学療法(抗がん剤)
手術後の再発予防や進行がんの治療に試行します。
放射線療法
主に直腸がんの治療で併用されることがあります。
内視鏡検査が重要な理由
内視鏡検査は、大腸ポリープや大腸がんを早期に発見・治療するための最も効果的な検査法です。
早期発見が可能
ポリープや早期がんは症状が出ないことが多いため、定期検査で発見します。
その場で治療が可能
内視鏡検査中にポリープを切除することで、がん化を防ぎます。
再発防止
過去にポリープが見つかった方や家族歴がある方は、定期的な内視鏡検査が再発防止につながります。
当院では、患者様の負担を軽減するため、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を実施しています。
予防方法
バランスの良い食生活
食物繊維を多く摂取し、加工食品や高脂肪食を控える。
適度な運動
腸の動きを活発にするために、日常的な運動を心がける。
定期的な検査
40歳以上、家族歴がある方、便潜血検査で異常があった方は、内視鏡検査が推奨されます。
禁煙・節酒
タバコや過度のアルコール摂取を控え、腸への負担を軽減しましょう。
当院での診療アプローチ
当院では、大腸ポリープ・大腸がんの診療において以下のプロセスを大切にしています
初診・問診
症状や家族歴、生活習慣について丁寧にヒアリングします。
詳細な検査の実施
最新の内視鏡機器を用い、正確な診断を行います。
治療計画の提案
ポリープ切除や外科的手術、化学療法を含む最適な治療法を提案します。
継続的なフォローアップ
ポリープ再発やがんの早期発見を目的に、定期検査と生活習慣の指導を行います。
大腸ポリープ・大腸がんの症状でお悩みの方へ
大腸ポリープや大腸がんは早期発見と治療で、合併症や進行のリスクを大幅に低下させることができます。
大腸の健康に不安をお持ちの方は、ぜひ当院にご相談ください。
内視鏡検査で早期発見・早期治療を目指しましょう。お気軽にお問い合わせください!